不妊症になるのを待たない...②

木下レディースクリニック 木下孝一院長のお話

2017年10月発行『i-wish ママになりたい 元気な卵子を育てよう!』



心の通ったプランが診療をより有意義に

不妊治療を必要とするご夫婦のの共通の願いは「赤ちゃんを授かること」ですが、不妊治療は暗闇を歩くようだ。出口のないトンネルに入るようだといわれ、苦しく辛い思いをされる方も少なくありません。また、誰しも初めてのこと、初めての場所は緊張するものです。

そこで、初診では治療の経験の有無に関わらず、十分に話を聞くことから始めます。この初診カウンセリングは看護師が行い、その方の思いを聞きながら、どのようなプランを考えているかをお聞きします。

例えば、「今、33歳で、34歳には1人産みたい。できれば35歳には2人目の妊娠にチャレンジしたい」などです。子どもを授かるということを主軸にして、さまざまなことを一緒に考えていくのです。

「この年齢で1人目を授かるためには、◯月頃までに出産を迎えたいね。そうなると、△月までに妊娠が成立しているといいね。

ということは、□月くらいには治療をスタートさせないとね」というように具体的になってきます。具体的なプランを立てることで、ご夫婦は自分たちの生活に関わる住居のこと、仕事の見通し、費用的なことなど全体的に考えて治療に取り掛かることができるでしょう。

患者さんご夫婦のプランを踏まえて、検査結果から治療プランを組むことで、さらに有意義で実用的になります。

目標は、より短い期間で、より少ない回数で子どもが授かることです。


心の通った医療を

私たちのクリニックには、患者さんに寄り添った治療が提供できるような独自の態勢があります。

1つは、一人ひとりにゆったりとした治療が受けられるよう、たっぷりとした診療時間を設けることです。そして、個室スタイルのカウンセリングルームや安静室を用意することで、他の患者さんを気にすることなくお話ができ、安静時間を過ごすことができること。

次に、わかりやすい説明です。

タブレット端末を使って採卵手術の様子や採取された卵胞液の中から卵子を探す検卵の様子などを動画で見ていただいたり、顕微授精など胚培養士の作業についても、すべての顕微鏡をWi-Fiでつなぎ、患者さんに見ていただくことが可能です。患者さんたちには、オープンな培養室に安心していただいています。


体外受精の大事なポイント卵巣刺激法と胚移植

体外受精では、いくつかの大事なポイントがあり、中でも卵巣刺激法と胚移植法が大事です。体外受精で、もっとも患者さんが大変な思いをするのは、卵巣刺激から採卵手術になります。

私たちは、患者さんそれぞれの卵巣機能やAMH値などから最善の方法で、現時点での卵巣機能をできるだけ活かして成熟卵へ育て、多くの卵子を得るようにします。「採卵手術は、しんどい」と声を漏らす患者さんも少なくありませんから、辛い採卵手術は1回で、成熟した卵子が多く得られるようにすることが、負担も少ない、治療期間の短い、回数も少ない治療へとつながると考えています。

そして胚を凍結して、胚移植へと備えます。採卵した周期は、胚を移植して着床するのには適さない子宮環境や、ホルモン環境であることも多いため、採卵する周期は卵胞を成熟させて、成熟した卵子を得ることに徹します。

その後、胚移植周期には、よりよい環境で育てた良好胚を子宮へ戻すために、子宮環境やホルモン環境を整えることに徹底して胚移植をして妊娠を目指します。


スタッフみんなで

私たちスタッフは、患者さんご夫婦に赤ちゃんが授かるように、とにかく最善を尽くします。そして笑顔で治療を受けられるよう患者さんに寄り添ってまいります。



不妊症になるのを待たない...①


木下レディースクリニック
 木下孝一院長のお話
2017年10月発行『i-wish ママになりたい 元気な卵子を育てよう!

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