どうして赤ちゃんができないのかなと、少しでも悩んでいるなら病院へ相談や検査が妊娠への近道になります...②

虹クリニック　吉田宏之先生のお話

2018年11月発行『i-wish ママになりたい　20代・30代・40代の不妊治療』

タイミングが合っていないだけ？通院中に自然妊娠する夫婦も多い

■年代による治療の違いについてはどのように考え、対応をされていますか？

20代で不妊治療を受けようと思う方はあまり多くないと思いますが、「どうして子どもができないんだろう？」と、なんとなく悩んでいるのでしたら早めに病院に行くことをお勧めします。病院で診察・検査を受けることで、妊娠に結びつく方がとても多いからです。早めに病院に来ていただければ医療的にサポートできることも、いろいろあります。

　20代の場合、一通り検査をしても３分の１のご夫婦には何の問題も見当たりません。そして、検査を受けている途中で自然妊娠する方が半数以上にのぼります。通院していれば、エコーなどで状態を見ながら「この日くらいに夫婦生活をもって」とタイミングを伝えるのですが、それで妊娠される方も多いです。

　また、20代のご夫婦では3分の１の確率で精子に問題が見られます。病院で検査をしたことで「女性だけではなく男性にも原因があったんだ」と、いち早く気づくことができます。

　20代で体外受精が必要な方も18%程度はいらっしゃいますが、20代での体外受精の妊娠率は50%以上と、とても高くなっています。やはり、年齢的に若いほうが妊娠しやすいのは明らかなのです。

年齢が高くなるにつれて治療は難しくなり、検査だけで治療をしない選択をする人もいます

■30代、40代の方の治療についてはいかがでしょうか。

30代後半以降、40代など年齢の高い方になると、治療は難しくなってきます。

　この年代になると二人目不妊の方も多いですね。30代半ばで自然妊娠されて、数年後に二人目を考えていたのになかなか妊娠しない。40歳前後で病院へ行き、いろいろ検査をしたけれど、これといった不妊原因は見当たらない。ただ、40代になると、原因は見当たらなくても結果的に40%以上の方は体外受精に移行していきます。年齢が高くなるにつれて妊娠自体が難しくなってきますし、流産も増えます。おのずと治療も難しくなるので、妊娠・出産に結びつきにくくなるのです。

　なかには一通り検査はしても、その後、治療をしないという方もいらっしゃいます。検査でご自分の状況を知り、妊娠自体が難しい、流産も増える、出産までの経過なども考えると治療は受けずに…と選択をされる方もいます。

後悔しないために、まずは病院へ行き、正しい知識を得る機会をもちましょう

■治療を受けるご夫婦にお伝えしたいことのまとめとして、メッセージをお願いします。

やはり、子どもができないと悩んでいるのなら、まずは病院に足を運んでみてください。

　治療は受けなくても相談するだけで精神的に楽になることもあります。あとになってから「あのとき検査を受けておけばよかった」「病院に行けばよかった」と悔まないように、やるべきことはやったと思えるようにしておきましょう。

　私たち医師は正しい最新の知識を持って診療にあたっています。その知識をお伝えする機会をいただけたらと思います。

どうして赤ちゃんができないのかなと、少しでも悩んでいるなら病院へ相談や検査が妊娠への近道になります...①

虹クリニック　吉田宏之先生のお話

2018年11月発行『i-wish ママになりたい　20代・30代・40代の不妊治療』