検査で自分の状態を知りましょう。…①
はなおかIVFクリニック品川 花岡嘉奈子理事長と花岡正智院長のお話
2017年4月発行『i-wish ママになりたい 赤ちゃんを授かるための検査』
はなおかIVFクリニック品川
花岡嘉奈子理事長
検査を受けて自分の状態を知る
■検査は大切だといわれますが、検査の重要性はどういうところにあるのでしょうか?
検査をすると「自分の状態を知ること」ができます。いうまでもなく、これはとても大事なことです。
逆に検査をしない状態というのは、自分の状態を知らないということ。もし、何かしら問題があったとしても把握していないということです。
例えば、卵管が通過していないと自然妊娠は成立しません。精子が一定量ないと自然妊娠は難しくなります。もちろん、きちんと排卵していることも大切です。
こうしたことは、妊娠を目指すうえで、ごくごく当たり前のことで、できる限り早くチェックしたほうがいいでしょう。
検査項目は色々 そのどれもが大事な検査です
■基本的な不妊検査の項目を教えてください。
初期検査の内容は次の通りです。
・子宮頸がん検査
・腟内細菌培養検査
・ホルモン検査(採血/LH、FSH、E2、プロラクチン、テストステロン、P4)
・甲状腺機能検査(採血/甲状腺ホルモン検査 TSH、fTー3、fTー4)
・AMH(採血/卵巣予備能検査)
・クラミジア抗体検査(採血)
・HbA1c(採血/隠れ糖尿病検査)
・風疹lgG抗体検査(採血)
・血清+フェリチン(採血/隠れ貧血検査)
・超音波子宮卵管造影
・フーナーテスト
・精液検査
・超音波(エコー)検査
以上のように検査項目は多岐にわたります。
ホルモン検査はLHやFSH、黄体ホルモンなど数種類のホルモンについて、適切な時期に適切な量が分泌されているかを確認するもので、月経中と基礎体温が高温になる黄体期にわけて行います。
クラミジア抗体検査で陽性の場合、卵管閉塞や骨盤内癒着の可能性があります。
HbA1cは隠れ糖尿病がないかを調べる検査です。隠れ糖尿病があると妊娠しにくい傾向が見られ、流産の危険性も高まります。
風疹の抗体を調べるのは、妊娠初期に風疹にかかると胎児に影響することがあるからです。
フェリチンを測ると隠れ貧血をチェックできます。この値が低いと着床しにくい可能性があります。
超音波検査では子宮や卵巣に奇形や異常はないか、内膜症はないかなどをチェックするとともに、卵胞の発達具合やきちんと排卵しているか、内膜が厚くなっているかなどを月経周期に合わせて確認していきます。
もちろん、がん検診を受診することも、とても大事ですし、男性なら精液検査は必ず受けていただきたい検査です。
AMHは残された時間を教えてくれる
■AMHも初期検査に入っているのですね。
AMHは他の検査とは違う側面があります。それは「時間を教えてくれる」ことです。
AMHは「あといくつくらい卵が残っているか」を調べる検査ですが、卵がたくさんあれば、まだ多少時間はあるといえますし、AMHの値が低くて卵が少ないとなれば時間があまりないといえます。
よく年齢が高くなると妊娠率は下がるといわれますが、年齢とは違うファクターで呼びかけてくれるわけです。
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