ママになるからだ…②
矢内原ウィメンズクリニック 黄木詩麗先生のお話
『i-wish ママになりたい 妊娠しやすいからだづくり』より
妊娠しやすいからだづくりは、なぜ必要ですか?
患者さんに「何を摂ったら、妊娠できますか?」と聞かれることがありますが、「そんなものはない。バランスよく食べることが大切なんだよ」と話しています。患者さんは、「面白くない話を聞いた」という顔をすることもありますが、食べる物のバランスの良さと、からだに良くないものは摂らないことが食生活の基本です。
バランスの良さの中には、エネルギーの供給と、消費の関係もあります。ですから、日々の運動も大事なこと。そういった日常生活の改善は、身近で取り組みやすいと考える分、また見落としがちになり、そこをきちんとやろうとすると、意外と面倒臭く思う方もいるでしょう。でも、そこをあえて!
なぜなら、からだに入ってくる栄養のバランスが良く、それを受け入れるからだの代謝が高い方が、妊娠に向けて力のあるからだと考えているからです。
おうち筋トレ&食事指導コースは、どのようなものですか?
患者さん個々に食事記録を取ってもらい、その方に適した筋トレ指導をし、家で実践してもらうようにしています。食事記録は、朝、昼、夕の食事内容と時間、それから間食とその時間、そして寝た時間も書いてもらい、チェックをしています。筋トレは、個々の体力や能力(身体の柔らかさなど)に合わせて外来で指導し、家で実践してもらっています。筋トレは、夜の入浴前に行って、その後に汗を流してもらうのが気持ちがいいかなと思います。
患者さんたちは食事記録を、どのように書いてきていますか?バランスはいいですか?
食事内容は、みなさんいろいろです。朝は、カフェオレとパンだけ。昼は、おむすびというように、指導スタート時は、あまりバランスの良くない方もいます。また、仕事の都合や、ご主人の帰宅時間に合わせて夕食を摂るため時間が遅い方もいます。そういう方には、夕方に野菜たっぷりサンドウィッチなどバランスのいいものを食べて、夕食をスープなどで軽く済ませること。また、ご主人の帰ってくる前に夕食は済ませて、ご主人と一緒に食べる時には、ところ天などにするような工夫をお勧めしています。
食事記録をとるメリットは、どこにありますか?
食事記録から、多い栄養素、足りない栄養素などを外来でチェック、指導をして、日々の食生活の改善に役立てます。食事記録を取ることで、「この食事内容は、良くないな」「ちょっと食べ過ぎだな」「これでは、足りないな」など、自分自身で気がつくことができるようになるでしょう。また、その食事内容から運動の必要性も感じるようになると思います。日頃の食事は、糖質(炭水化物を含め)や脂質(揚げ物など)の多い食事になりがちです。必要な栄養素ではありますが、もちろん摂り過ぎはよくありません。
書いて、記録に残すことは、自分の気づきと改善につながっていくことも、メリットの1つだと思います。そして、栄養をキープできるからだ、いらないものを排出できる代謝のいいからだを目指しましょう。
そうして指導していると、だんだん厳しくなってしまうのです。もちろん、無理はさせませんが、大事なことだから、どうしても理解してほしいので、鬼のようにきびしくなってしまうのです…。
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