伝えたい、卵子の大切さ…①
はなおかIVFクリニック品川 花岡正智院長のお話
『i-wish ママになりたい 女性のカラダと卵子の話』より
精子と違い、数に限りのある卵子。
妊娠には、その質と女性の年齢も大きく関係してきます。
はなおかIVFクリニック品川
花岡正智院長
日々、新しい精子を造り出している男性。
そして、数に限りある卵子を育む女性。
私は同じ産婦人科医の先輩と結婚をして、子どもを儲けることができました。でも不思議なものです。実は2人目不妊で、私たち夫婦も生殖医療の恩恵に預かっています。その方法は体外受精でも顕微鏡下で一つの精子を卵子に直接注入する顕微授精というものでした。妻の年齢が高かったことが原因かもしれません。
卵子の質は年齢を重ねるにつれ劣化して、質の良い卵子に出会うチャンスが減ってくるのです。
私たち夫婦は運良く子どもを授かることができましたが、同時に自分が受けた学校教育のことを思い出したものです。〝卵子が減る〟なんてこと、教わったのだろうか? と。 何となく歳を取れば女性が妊娠できなくなることのイメージは身に付いていたものの、学校では避妊の教育と女性には月経があることくらいの教えだったと記憶します。
それが今になって、『なんで卵子の大切さを教えないの!?』と、生殖医療に携わりながら思っています。患者さんによっては、治療をはじめるのが『遅すぎる!』と悔やむことも多いのです。
それに比べ、男性の精子は日々造られ続け、造精能力が衰えはするものの、その機能は歳をとっても持続されます。
でも、女性の卵子は、そうはいきません。それだけに、女性はカラダも卵子も大切にしないといけない現実があるのです。
女性の年齢と大切な卵子の質
学校教育にもなく、社会での教育機会も無いのですから、一般女性にとって、月経があることを実感していたとしても、月経周期に起きているホルモンの流れや、生殖機能で何が起きているのか、また、卵子がどのようにできて、排卵されていくのか、また、その生涯がどうであるかということを実生活の中でとらえることは難しいかもしれません。
そして、それが妊娠にどう関係しているのか、その知識が不十分なのが現状です。したがって、当然、患者さんはご夫婦でよくわかっていない方がほとんどなのです。
妊娠を望む夫婦にとって、卵子の質は結果を左右する大事なものです。この卵子の質が年齢とともに低下し、数も少なくなっていけば、治療でも卵子の質と数との戦いということになってきます。
年齢からすれば、20歳前後から35歳くらいが妊娠適齢期。それを超える頃から質の低下や残数の心配が始まり、43歳以降はかなり厳しく、治療を諦める現実もやってきます。
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