知ってほしいAMHの話…②
おち夢クリニック名古屋 越知 正憲院長のお話
『i-wish ママになりたい 私の卵が育つ培養室』より
大切なことなので本にしました
卵巣年齢がわかるAMH? 低ければすぐに体外受精? みなさんに、もっとしっかり知って欲しいAMHの話
著者あとがきより、①の続き
もしも、結婚をしていない、またこれからその相手を捜そうとしている女性のAMH検査の結果が「よくない状況」と出たら、どうしましょう。 慌てて結婚相手を捜しますか? そして、子づくりをしますか? なかなか自分の思うようにいかないのが人生です。AMH検査で「よくないよ」と脅かして、その後は「あなたの人生だからね」と放り出してしまうのは医師としてあまりにも中途半端です。「AMH検査の結果はよくないね、だけどこういうこともできるよ」と少なからずとも、いくつかの選択肢を用意するべきでしょう。 その1つに卵子凍結があります。結婚し赤ちゃんが欲しいと願ったけれど、それが夫婦の努力だけでは叶いそうもない時に、若い時に凍結保存した卵子を使って妊娠、出産に挑戦するという1つの選択肢です。ただ、この自己卵子バンクには各界からの意見も必要ですし、法整備や国家、自治体での取組み、管理体制の確立などが必要で、実現するまでにはいくつもの高いハードルを越えなくてはなりません。 もちろん、いい結婚相談所を紹介するというのも1つでしょう。 この本に登場するのは体外受精治療に向かう不妊症のご夫婦です。 AMH検査は結婚していない女性に、「若いうちに結婚した方がいいよ」という起爆剤にするには、少し乱暴ではないかと思うのです。そして、子どもを欲しいと願っているご夫婦に必要だと思うのです。 Dr.おっちぃ こと、私、越知正憲は、産婦人科医師です。産科は、出産に向けて母子ともに安全であるよう健診をし、赤ちゃんの誕生とともに命に対し真摯に向き合うこととなります。この新しい命の誕生に立ち会える醍醐味は、産科医ならではでしょう。私も長年産科医として多くの喜びに立ち会いましたが、その喜びにたどり着けないで苦しんでいるご夫婦にも会いました。そこから不妊治療・生殖医療を目指しました。中でも体外受精は、卵子を体外に採り出して命の誕生につなげるという、人類にとってはまだ新しいものです。もちろん目的は、不妊症で子どもに恵まれずにいるご夫婦のため。ただ、残念ながら年齢や症状などから目的を果たせずに終わるケースがあるのも事実です。 そして、この生殖医療には、人として守り、行なうべき道筋、善悪や正邪の判断(倫理)が大きく関係してきます。
③に続く。
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