産婦人科をホームドクターに…その③

三軒茶屋レディースクリニック院長 保坂猛先生のお話 
『i-wish ママになりたい 40歳からの不妊治療』より


患者さんにとってまだ敷居の高い不妊治療! 早期治療を呼びかけるだけでなく 婦人科がもっと身近な存在になれたら…




不妊治療の終わりは…? 本人に判断を委ねるのは酷な話

<妊娠は年齢と深く関わっていますから、結果を得られず治療を終える場合もあると思いますが… >

 私自身は治療のエンドポイントは決めていません。もちろん、これ以上治療を続けても妊娠は難しいだろうという場合もありますが、伝え方が重要だと思います。医師によっては月経がある限り妊娠の可能性はあると言ったり、一方で月経があっても、この年齢だと治療はできませんと言ったり、基準があいまいで見極めがとても難しいですね。

  もちろん、最終判断をするのは患者さんご本人ですが、判断を患者さんに委ねるのは酷だと感じます。

  明らかに可能性がないときは伝えるべきだと思いますが、あいまいなゾーンにいる場合がとても難しいものです。結果として、妊娠できない場合もあるのですが、その場合でもご本人たちが納得できるかどうかが大切なことだと感じます。

  医師の話を聞いて納得できたとしても、実際に治療をあきらめる、妊娠をあきらめる、というところにいたるには、もう一山越えないと難しいとは思います。そのときに受け皿をつくって誰かが話を聞いてあげる。治療をするかどうかではなくて、話を聞いて気持ちに応えてあげることが、とても大事だと思います。

  人生はそこで終りではなく、その後も続いていくもの。後から振り返ったときに、「結果として子どもはできなかったけれど、頑張って治療してよかった」と思えるほうが、その後の人生にいきてくると思うのです。 


検診の受診率が著しく低い日本かかりつけ医のような関係を築けたら 

<できるなら、やはり早めに治療をするのがいいのですね>

  もちろん、それが理想ですが、今は高齢出産や晩婚化が進んでいますし、一方的に「早く病院に来てください」といっても問題解決にはつながらない気がします。それよりも婦人科がもっと身近な存在であるべきだと思いますね。たとえば、かかりつけの医者みたいな関係を築けたら、年齢を見て、「そろそろ子どもは?」という会話ができたり、「先生、私、妊娠できそうですか?」みたいな話もしやすいでしょう。

 女性の健康診断として、乳がんや子宮がんの検診などがありますが、先進国のなかで日本の受診率はとても低いのです。自分は大丈夫、検診を受けるのは恥ずかしいから、という意識が根強くあるのかもしれません。そういうところから変えていけたらと思いますね。 


産婦人科をホームドクターに…その①
産婦人科をホームドクターに…その②


三軒茶屋レディースクリニック院長 保坂猛先生のお話 
2014年8月発行 『i-wish ママになりたい 40歳からの不妊治療

i-wishママになりたい

不妊治療専門誌i-wishママになりたいの中で取材したクリニックを紹介しています。