患者さんの年代で治療に変化があっても大切にしていることは、みな同じことです。...②
矢内原ウィメンズクリニック 黄木詩麗先生のお話
2018年11月発行『i-wish ママになりたい 20代・30代・40代の不妊治療』
どんな年代でも治療の説明はしっかり聞くことが大事です
■治療をされていて、どの年代に限らず困ることはありますか?
年齢に関係なく、不妊のことをブログなどで調べ、人の例を自分に当てはめて、自分もこうなんだと思って来られる方がいます。中には、こちらから説明をしたことと、自分がネットで調べた体験記の説明が違うと話を聞かないという人もいます。
まずは説明は、しっかり聞いて欲しいですね。
不妊治療の最終ゴールは、安心できる妊娠、そして安全に出産して元気に子育てができること
■先生にとって、治療をしていて大切に思われていることはなんでしょう?
年齢を重ねれば変わってくることはあります。
とくに卵子の質の問題は、大きいでしょう。
また、妊娠という結果自体は変わらなくても、クロミッドなどの誘発剤を使うことで子宮内膜が薄くなることがあります。
このとき、若い方は薄くなった内膜の厚さの戻りが早く、年齢が高くなると戻りが遅くなり、そこに違いがでますが、妊娠の獲得という面では問題ではありません。問題は、妊娠したあとの合併症です。
不妊治療のゴールは、妊娠、出産、子育てなので、やはりそこまでのことを考えての治療が大切かと思います。
当院では、体外受精や一般の不妊治療を受けられた多くの方が姉妹クリニックの矢内原医院で出産されます。不妊治療から妊婦健診、そして分娩までを診ている中で、身体が作れていないことから難産になるケースを年齢に関係なくみています。弛緩出血とか、陣痛がなかなか強くならないという人もいるため、できるだけそのようなことがないようにと指導しています。また、妊娠してからではできなくなってしまうエクササイズは、今からみっちり行うことで身体を作り、血流改善による妊娠への効果を期待しながら、以前よりもパワーアップしたエクササイズの指導をしています。
不妊治療の今後の発展
■将来に向けての思いなどはありますか?
不妊治療は体外受精という方法を得て、40年ほどの歴史の中で進化してきました。治療の技術的な面での進化は、今後も進むでしょう。治療も、もっと楽になるかも知れません。
ただ、人の生活や家庭、夫婦のスタイルは急に変わるものではないと思いますので、どの年代に限らず、治療に関しては常に私たちはベストをつくしていきたいと思っています。
患者さんの年代で治療に変化があっても大切にしていることは、みな同じことです。...①
矢内原ウィメンズクリニック 黄木詩麗先生のお話
2018年11月発行『i-wish ママになりたい 20代・30代・40代の不妊治療』
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