医師は、患者の身体情報をわかりやすく伝えるトランスレーター。...①
IVF詠田クリニック 詠田由美院長のお話
2018年2月発行『i-wish ママになりたい 不妊治療バイブル』
IVF詠田クリニック
詠田由美院長
不妊治療では、医師が患者さんの不妊原因を的確に把握して、しっかり診ていくことが大切です。そして、治療をオープンにしてきちんと説明しながら状況を伝えていくことも大切です。
そのために不妊治療施設では、色々な発想や設計、または方針で努力をしているようです。
九州は福岡にあるIVF詠田クリニックでは、診療フロアの増設の際に特別なアイディアを実現し、見違えるほどの施設へと進展しました。新しいフロアは生殖医療の心臓部となる設備(採卵~検卵、培養、体外受精や凍結保存など)が最新の設計で凝縮されています。その中心が、患者さんがガラス越しに見ることのできるラボ(培養室)です。
ガラス窓越しに見えるクリーンな培養室
■見える培養室をつくった理由は何でしょう?
私たちは、診察や検査、治療から得られたデータをわかりやすく伝えるトランスレーターです。それは、的確な治療をするためでもあり、赤ちゃんを授かりたいと通院される患者さんが自分の身体をコントロールするためでもあるのです。
その中で『見える培養室をはじめとする設計』は、患者さんにとってわかりやすく不安の少ない、そして心配のない治療を実現するために役立つと考えてのことでした。
実際にガラス窓越しに(培養室を見ながら)患者さんが『きっと無事に育って私のところに戻って妊娠してね!』と拝んでいることもあります。
そして患者さんが見ていることで、スタッフの責任感もさらに充実し、自分たちの役目を深く理解して仕事に臨んでいます。
採卵手術前に院内ツアーで説明や紹介を実施
■院内ツアーが好評とのことですが、それも説明の一環ですね。
院内ツアーは、初めて体外受精を受ける方を対象に採卵手術の前に行うツアーです。
もちろん説明の一環ですが、事前に採卵当日のルートをまわることで、当日に患者さんが困らないように、また、心配にならないようにと始めたものです。あらかじめ目にし、歩いてみることで理解もしやすいですし、みなさんとても安心されます。
具体的には、メディカルコーディネーターが担当し、診療部の上階にある手術室や安静室、培養室を案内しながら、受付方法や採卵手術時の手順、準備などを説明していきますが、細かくはロッカーの使い方や着替え、そしてベッドの使い方、どのように手術が行われるのかを説明します。培養室前では採卵した卵子がどのように預けられているか、精子との受精や受精卵がどのよう育ち、凍結保存含め、移植までの流れを説明します。
携わるスタッフの姿も見ることができますから、安心感と医師やスタッフへの信頼にもつながるものと思っています。
医師は、患者の身体情報をわかりやすく伝えるトランスレーター。...②
IVF詠田クリニック 詠田由美院長のお話
2018年2月発行『i-wish ママになりたい 不妊治療バイブル』
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