ママになるからだ…③
矢内原ウィメンズクリニック 黄木詩麗先生のお話
『i-wish ママになりたい 妊娠しやすいからだづくり』より
黄木詩麗先生と看護師たち
おうち筋トレ&食事指導コースなどの外来を受診されていない方へのフォローは?
エクササイズや、おうち筋トレなどの外来までは…という方も中にはいますので、そういった方たちには看護師がフォローしています。
通院されるみなさんの気づきのきっかけになるようにと、からだにいい食べ物やレシピ、家でできる簡単エクササイズなどを待合室の壁に掲示して、診察を待つ間に読んでもらえるようにしています。中にはスマホで写真を撮って帰られる方もいますし、紹介したレシピを実際に作ってみましたと言ってくださる方もいます。また、検査や、注射などの処置の間に「どうですか?」と声をかけたり、相談を受けたりすることもあります。
少しずつでも、自分の生活の中に取り入れていけるようにと、声かけをしています。
男性の食生活も、精子へ影響しますか?
「栄養面、運動面の不足が精子に影響しますか? 」と、ときどき聞かれます。
以前、糖質や脂質の摂取量が精液所見に影響するという報告がありましたが、そうでなくても精液所見は、4~5倍ほどの変動があります。栄養に気を配ったから、運動をしたから精子の数が増える、元気に運動する精子が増えるというのは、エビデンス的には考えにくいと思います。ただ、健康であることは大切なことですので、ご主人も栄養と運動に心がけましょう。
特に、気をつけてほしいというタイプの方はいますか?
妊娠前の体重が周産期の合併症に大きく関わってきます。これは、特に太っている方に言えることですが、妊娠前の状態が、妊娠経過、出産に影響しますので、不妊治療中にはイメージしにくいかもしれませんが、そこは鬼になって指導します。
矢内原ウィメンズクリニックで治療して妊娠された方の多くが、分娩施設として姉妹クリニックの矢内原医院を選んでくれています。
赤ちゃんが生まれると、こちらにも出産の報告が入るので、時間が許すときには、赤ちゃんを見に行くことがあり、嬉しく思っています。
ただ、分娩時の報告を聞くと、時間がかかった、大変だったということがあり、その中には「やっぱり…」と思うケースもあります。運動が足りなくて出産に時間がかかったのかな? 妊娠中、大事にし過ぎて、あまり動かなかったのかな? と、不妊治療中の様子から、その後の状態が心配になるケースです。不妊治療から、妊娠生活、出産へとつながっていくものですから、やはり母体が健康であること、その後の生活にも自分自身で気がつけるようになることが大切です。ですから、治療時から、その先、その先を見越して指導することが大切だと考えています。
先にも言いましたが、妊娠前の体重が妊娠合併症のリスクを上げてしまうため、特に太り過ぎは解消しておきたいことの1つです。もちろん、痩せ過ぎもよくありません。妊娠してから、痩せたり、太ったりすることもよくありませんから、妊娠前から準備をしましょう。
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