患者さんの状態に合わせて…②


あいだ希望クリニック 会田拓也院長のお話 
『i-wish ママになりたい 不妊治療の今』より 


 患者さんの状態に合わせて、より自然に必要な治療のみを行っています。




薬を使うことで、からだに悪影響があるのでしょうか?

 薬を使うと卵巣に負荷がかかるので、卵子の数が減ってしまうし、閉経が早まることもあるんですね。もちろん、排卵しないとか、排卵の間隔がとても長い場合には薬を使わざるを得ないこともあります。ただ、きちんと排卵している方に関しては薬を使う必要はありません。本来、排卵する予定の卵子を採取すればいい。これが一番良い卵子ですからね。この方法であれば、卵巣はダメージを受けることがないので、卵子の数が減るといった弊害はありません。実際、卵子や排卵に問題があって排卵誘発剤を使わなければならない方よりも、卵子や排卵は正常で卵子と精子が出会っていない方のほうが圧倒的に多いです。 


できる限り自然な方法で妊娠を目指すことが大切なのですね!

 そうですね。それから、体外受精がすごく特別なことのように捉えられているのも良くないと感じます。もちろん環境を整えたり、専用の器具を使ったりはしますが、細胞に何か直接手を加えているわけではありません。それでも、イメージ的には「何か特別なことをしているんじゃないか」と思われる方が多いようです。だから、「料金が高いんでしょ?」と思われたりする。  でも、実際は体外に取り出した卵子と精子をシャーレ上で出会わせているだけ。ここを正しく理解していないと、出産後に悩んだりするんです。何かあるたびに、「この子は特別な子だから」と考えてしまう方も少なくありません。ごく普通のご家庭でもよく耳にする成長過程での反抗期も、病気や怪我なども、その原因を「もしかして体外受精で生まれた子だからじゃないか?」と結びつけてしまいがちなんですね。  なので体外受精をする患者さんには、「何も特別なことはしていません。本来、会うはずだった卵子と精子が出合っただけです」とお伝えしています。  そういう意味でも自然周期は大切だと思いますね。  排卵誘発剤の注射で10個の卵が採れて、それで妊娠した場合、あとになって「違う受精卵にしておけば良かった」なんてことも起きかねませんし、特別なことをせずに妊娠したと思えるのがいいのです。 


患者さんの状態に合わせて…①
患者さんの状態に合わせて…③ 


 あいだ希望クリニック 会田拓也院長のお話 
(2014年11月30日発行 『i-wish ママになりたい 不妊治療の今』の記事です )

i-wishママになりたい

不妊治療専門誌i-wishママになりたいの中で取材したクリニックを紹介しています。